治療で視力が戻るか

治療で視力が戻るか

網膜が光を感じられるかをテストする

犬の白内障でも手術ができれば、視力が回復できると考えている飼い主さんも多いようです。
しかし、視力を失ってから時間が経過してしまっていると角膜や瞳孔、網膜にダメージがおよんでいる可能性があります。
これは残念ながら手術などの治療で白濁が改善しても視覚が回復しないということです。
とくに外科的手術では愛犬への大きなリスク、高額な費用を考慮すると治療で視力が戻るかというのは大変重要な点になります。

もちろん外科的手術が検討される場合はこの点について適正な検査を行ないますが、愛犬の白内障治療方針を考えるにあたって、飼い主さんが現段階での愛犬の目の状態を知る簡単な検査方法がありますので、紹介したいと思います。

海外の眼科専門獣医師が高価な検査機器がなくても白内障の手術が適用対象になるかを判断するために考案したとされており、ようは現在の目の状態が光を感じることができるかのテストです。

必要な物と環境

カメラ付き携帯電話やデジカメのストロボなどのように強い光を発するもの。（聴力による反応を除外するためにできるだけ光の発生時に音を発しないものがよいです）

夜間、もしくは完全に遮光できる部屋に犬と入り、電気を消します。
この際は必ず真っ暗にしてください。

暗闇に目が慣れてきたら、携帯電話やデジカメのストロボを使って犬の目から10cmほど離して光を当てます。

この際にはシャッター音で犬が気がつかないように無音で操作してください。
スマートフォンなどのカメラは必ずシャッター音がしますので、その場合はカメラを起動せずにライトを付ける機能を利用するとよいでしょう。

このとき犬に驚いてぴくっと動くなどの反応があれば、網膜が光に反応していると考えられます。
白内障の濁りが改善すれば、視力が戻る可能性があるのです。
このテストで両方の目で確認してみてください。
専門の機器を使った正確な検査ではありませんが、網膜が光を感じているかの目安にはなります。

犬の白内障では症状が進行すると網膜にダメージがおよぶ可能性が高くなります。
白内障起因性の他の目の疾患を防ぐためにも、現状の確認と早急な対処が重要です。